ゴッドファーザーは大河ドラマです

ゴッドファーザー

ゴッドファーザーはイタリアの移民であるドン・コルレオーネの生涯を綴った、一大叙事詩になり大河ドラマとして最も有名なマフィア映画になります。
舞台はニューヨークから始まり、特徴的なオープニングは愛娘の結婚式から始まります。
イタリアの古い風習として娘の結婚式に持ち込まれた相談事は断れないことになっており、ドン・ビトー・コルレオーネは数々の面会をして相談を解決するために頭を悩ませるのです。
ここが映画史上に残る名シーンと言われており、名優マーロン・ブランドは口に綿を詰めてまぢあのボスを演じます。
義理堅く誇り高い人物であることを視聴者に分からせる、最初の肝心のシーンは凄みを覚えるのです。
葬儀屋の娘のために暗殺を依頼されても、ゴッドファーザー・ドン・コルレオーネは首を縦には振りません。
復習で他人の命を殺めてはいけないと、逆に諭すのです。
そして友情の大切さを説くシーンには、思わず観客もドンという仕事が生半可ではないのだと覚悟を感じてしまいます。
この偉大なゴッドファーザーには3人の息子が居ました。
喧嘩っ早く血の気の多い長男ソニー、気が弱くお調子者のフレド、家業を憎み大学を中退してアメリカ海兵隊に志願兵として入隊して戦場経験もあるマイケルがおりました。
数々のトラブルに見舞われる末に、長男を暗殺されてしまい家業を最も憎んでいたマイケル・コルレオーネがドンの跡を継ぎます。
合法的な企業とすることを目標にして、偉大な父に負けないように組織運営を始めるのです。
銃弾と裏切りが交差するマフィアの世界では、非情にならなければファミリーも家族も守れないために、若く理想に燃えていたマイケルもいつの間にか心の芯から冷血な人間になってしまいました。
父を寿命で亡くしたことをきっかけに組織内で粛清を始めて、裏切り者の古参幹部を始末し長男が暗殺されたきっかけを作った義理の弟を暗殺してしまうのです。
これは悲劇の序章に過ぎず、後々には実の兄であるフレドも部下に命じて銃弾を降らせえてしまうことになります。
ゴッドファーザーの前半が偉大なる父が作った帝国の繁栄期であるならば、中盤はファミリーの亀裂を暗示する内容になっております。
物語の終盤は実の兄を暗殺した悔悟を抱くマイケル、そして離婚した妻と妻の間に出来た子供たちとの物語になるのです。
マイケルは遠い昔跡継ぎとしてドンになった時に、組織を合法化させることを自分自身と父に誓いましたが、とうとうその願いは叶いませんでした。
しかし善意の寄付をすることと、ファミリーの進む道を示すために巨額の資金を協会に投資することになります。
老いたマイケルはファミリービジネスを合法化させようと奔走しますが、かつてのダーティービジネスを継承した部下の反乱や、ソニーの息子である甥っ子のためにトラブルを招きピンチに陥ってしまうのです。
逆転の一手のためにアメリカとイタリアを股に掛けた策を講じて、かつて何度も行ったように粛清を始める覚悟決めます。
腹心は甥っ子であるヴィンセントを使い、絵図を描いて敵の元に送るのです。
しかし問題もありました。
甥っ子のヴィンセントはあろうことか実の娘である、目の中に入れても痛くはないメアリーと恋仲になってしまうのです。
肉親同士であり女性に対して手の早いプレイボーイであるヴィンセントとの仲を、マイケルは不安でしょうがありません。
マイケルはドンの地位を譲る代わりに、ヴィンセントに娘のメアリーとの仲を終わらせるように促します。
ヴィンセントは了承し跡継ぎになり、アメリカとイタリアを巻き込んだ不正の後始末をするために非常になるのです。
一発の凶弾がメアリーを貫いて物語は終焉を迎え、マイケルの絶叫と共に終幕します。