カメラを止めるな!が人気になった理由

カメラを止めるな!

2018年に最も話題になった日本映画といえば、『カメラを止めるな!』を挙げる方は多いとされます。
話題になっていたのは知っているけれど、どんな映画なのかわからなくて手を出せずにいたという方も少なくないため、映画をより楽しむためにも特徴や魅力などをチェックしていきましょう。
『カメラを止めるな!』はENBUゼミナールのシネマプロジェクト第7弾として、監督である上田慎一郎さんが数多くの無名俳優達をオーディションで集いキャスティング、製作された新しいゾンビ映画となっています。
2018年6月23日に新宿と池袋の2館限定で公開スタートした作品でしたが、その独自の演出や面白さが口コミで広がっていき全国の劇場で公開されるほど人気の高い作品となりました。
作品の監督と脚本を務めるのは上田慎一郎さんで、キャストには濱津隆之さんやしゅはまはるみさん、真魚さんや長屋和彰さんなどオーディションで集った俳優が演じています。
作品のおおまかなあらすじは、とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していたところから始まり、作品の本物感を求める監督はなかなかOKを出さずについには42テイクに達してしまいます。
そんな中で撮影隊に本物のゾンビが襲い始めたことから、リアル感を追求する監督は大喜びで撮影を続け撮影隊は次々とゾンビ化していってしまうという37分ワンシーン・ワンカットで描かれたノンストップゾンビサバイバルです。
では実際に無名俳優が出演した作品でありながら、『カメラを止めるな!』が全国的に人気が高くなったかというと3つの魅力が関係しているといわれています。
まず1つ目の魅力が前代未聞の37分間ワンカット長回しされた撮影方法です。
とある廃墟を舞台に自主映画製作チームが突如現れたゾンビから逃げ回る様子を、作中一度もカットすることなく37分間とり続けています。
そのため映像は自分が実際に役者を追いかけているような臨場感と、没入感に観客は自然と姿勢も前のめりになってしまうほどの展開が続きます。
そして2つ目の魅力は監督本人が手掛ける巧みな脚本にあります。
この映画の最大の特徴ともいえる魅力的な脚本は、ワンカット長回しされた37分間の映像だけが魅力なのではなく、このワンカットが終わってから大きな仕掛けがされていることに観客が気付く展開となります。
その仕掛けが発動した瞬間、この作品は一気にクライマックスに向けて全力で突き抜けていくため、この映画は作中で2度始まるといわれているほど最初から最後までジェットコースターのような展開が続きます。
そして最後の魅力は、監督を筆頭にして出演した役者の一人一人がこの映画を盛り上げようと全力な点にあります。
公開当初は新宿と池袋の2館のみで公開されていたため、全ての回で上映後にキャストの皆さんが祭壇して舞台挨拶やサイン会を行うなど、今まで聞いたことのないサービスを行っていました。
映画を見た観客が感想をTwitterでつぶやいたところ、出演者から2分で返事をもらうなど反応が早いといった、役者全員が映画を盛り上げようとする姿勢は、観客にとっても映画を全員で作り上げる一体感を感じさせる盛り上がりになりました。
この地道なやりとりが、全国公開になるほどの話題作になるほど成長を見せた理由の一つだといわれています。
『カメラを止めるな!』の評判は、各界の著名人や有名人が絶賛しているなど高い評価を受けている作品となっており、実際に日本の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)や特殊効果賞、優秀作品賞を受賞しています。
海外の映画祭でも審査員特別賞や観客賞2位、最優秀作品賞などを受賞する実績もあります。